海ときどき山、ところによりキャンプ

オヤジの緩いアウトドアライフ

山行記(7) 北八ヶ岳 双子池~北横岳 初めてのテント泊登山

 テント泊登山に挑んだのは富士山以外の山に登り始めて2ヶ月後の2020年8月、鳳凰三山地蔵岳の次の2回目です。子供が小さかった頃はファミリーキャンプもやっていたのでもともとテント泊登山指向があり、登山を始めるにあたり少しずつテントやシュラフ、バーナー等を買い揃え始めていました。富士山だけとはいえ10年登り続けていたこと、地蔵岳で少し自信がついたこともあり、さすがにいきなり稜線に担ぎ上げる自信はありませんでしたが、ベースキャンプ型のテント場であればとテント泊登山を挙行しました。北八ヶ岳の双子池-北横岳です。大河原峠から入って双子池にテントを張り、北横岳に登りました。

双子池-北横岳を選んだのはテント泊と登山の難易度ももちろんですが、何より山に囲まれた静寂な湖畔の森の中という、まさに私が思い描く理想のテント場だったからです。ここでテント泊デビューをして良かったと思っています。山の楽しさや怖いくらいの静寂感も知りましたが、山の寒さも身に沁みましたし、道路情報等事前の情報確認の大事さも判りました。

2020年8月

長野県 北八ヶ岳の北横岳 (標高2480m) 

コース     大河原峠-双子山-双子池(テント1泊)-北横岳往復(亀甲池)

        -双子池-亀甲池-吉祥寺原-大河原峠

ルート定数計算 26.1(コースタイム7時間 歩行距離11km 

           累積標高差△960m ▽965m)

        ※双子池-北横岳往復のルート定数計算15.8

         (コースタイム4時間20分 歩行距離5.2km 

          累積標高差△604m ▽604m)

        ※富士山富士宮口5合目-8合目往復のルート定数15.8

        ※ルート定数はヤマケイOnlineで辿った時間、距離、高低差と

         計算式で算出したものです。

 

初日

出発~入山

 8月の盆休み、金曜の夜に自宅を出て土曜の早朝に大河原峠に着いて入山、双子池ヒュッテでテントを張って北横岳にピストン、テント泊を楽しんで翌朝撤収、大河原峠に戻り帰路につくという計画を立てて出発しましたが、いきなりの洗礼は林道の通行止めでした。中央高速を諏訪ICで降りて蓼科から大河原峠に向かうルートを取り、蓼科湖を過ぎるまでは順調でしたが、その先の林道が数週間前の台風による土砂崩れで通行止めが続いていて蓼科湖まで戻って佐久の方から大きく迂回しなければなりませんでした。このため大河原峠到着が予定より4時間近く遅れ、その日に北横岳までピストンしてしまう計画が大きく狂ってしまいました。出発前にwebで調べたつもりだったのですがそれでは足りないこと、特に林道は管理する自治体、事務所のサイトに入ってしっかり確認しておくことが必要、と身に染みて思いました。双子山-双子池は人気のハイキングコースでもあるようで、到着時には30台くらいある峠の駐車場は満車、かなりの台数が路肩に駐車していました。

入山口 大河原峠

双子池(双子池ヒュッテ)

 大河原峠から双子池までは約1時間の行程、山頂が広く開けていて見晴しの良い双子山に登った後、双子池まで笹に覆われた唐松の森の中を下って行きます。

大河原峠-双子池の行程とテント設営で2時間として7時に入山すれば、双子池-北横岳往復を6時間とみてもその日のうちに双子池に戻ってゆっくりテント泊、というつもりが11時入山、12時双子池着となってしまいました。微妙な時刻でしたが初めての山なので無理をせず、この日の北横岳は諦めて、双子池の周りで大人しくしていることにしてヒュッテで受付を済ませました。

双子山山頂

双子山から北横岳(右)と大岳(左)を望む

森の中を双子池に下って行きます

 双子池はその名の通り山と原生林に囲まれて雄池と雌池の2つの池が並んでいます。ヒュッテは2つの池の間に建っており、雌池沿いに亀甲池、北横岳に向かう登山道の左右に要予約のテント場があります。テント場は30張分くらいでしょうか、笹が1張り~2張り分の広さだけ切り払われて点在しています。すでに7~8張くらい先着者があり、湖岸に面した静かそうなサイトは埋まっていました。私は登山道から山側に入った枝道沿いのサイトに設営しました。胸の高さまで笹が茂っているので、立ち上がれば木々の間から池が見えますが座り込むと笹と頭上の木々しか見えない、そこだけポツンと切り離されたような感覚になる静かなテント場です。

双子池ヒュッテ

双子池(雄池) ヒュッテの水源です

双子池(雌池) テント場は雌池の周りに

 午後はキャンプを楽しもうと、ゆっくり昼飯を食べ、ゆっくりコーヒーを飲み、昼寝をしたり大山や北横岳に向かうルートを少し歩いたりしてのんびり過ごしました。先着者はこの時間周辺の山に登っているのでしょう、またコロナ禍や林道の通行止め等で双子池を通る登山者自体も少なかったのかもしれませんが、テント場や登山道でもほとんど誰とも行き会わず、人工的な音は一切なく聞こえるのは鳥のさえずりと木々や笹が風でざわめく音だけでした。

午後も遅くなると、先着者が山から戻ってきたり新着者があったりして、夕食時まで周りが少しだけにぎやかになりましたが、暗くなるとすっかり静かになりました。2~4人のグループもいたようですが、笹で遮られて話し声も明かりも全く気になりませんでした。当然ながらテント場に照明の類はなくヒュッテの明かりも届きません。水場とトイレは真っ暗な中細い登山道をヒュッテまで歩かなければならず、森の中で月明りも当てにならないのでヘッドライトだけが頼りです。ヘッドライトを消すと周囲は真っ暗、頭上の木々の間にボヤっと空が見えるだけです。周りには何張りもテントがあるはずですが、風と葉擦れの音が聞こえるだけ、孤独感すら感じるほどでした。

テント一張り分だけ笹が切り払われたサイトでした

陽が傾いてきました

静かな夜が始まります

 

 山の寒さを実感したのはこの夜です。テントはライペンのエアライズ、グランドシートとエアマットを敷きSOLのエスケープヴィヴィをシュラフカバー代わりに持って行きましたが、真夏なので甘く見ていました。シュラフはカタログ値を信じて価格優先でネット購入したネイ■ャー■イクのダウンの封筒型(C■280)で、ヴィヴィとシュラフだけでは寒くて寝られず、持って行った服を全て着込んでも朝まで熟睡できない状態が続きました。その日何度まで下がったかは判りませんが、6~8月の最低気温は8~9℃とのこと、カタログ値では十分いけると思ったのですが・・・・。帰った翌週にモンベルのダウンハガー650#3を購入しました。ダウンパンツとダウンのテントシューズも購入しました。ダウンの封筒型はコンパクトなので今も使っていますが、あくまでもモンベルシュラフと2重にする寒暖調整用です。これとライトダウンのジャケットをセットにして真夏でも持って行きます。山の寒さを甘く見てはいけないと実感しました。寒さは背中(地面)とつま先から襲ってきます。

 

2日目

双子池-北横岳

 前日のゆっくりした流れのまま朝を迎えてしまい5時40分起床、6時30分に出発し先ずは北八ヶ岳らしい苔の森の中を北横岳への分岐がある亀甲池に向かいました。亀甲池は少し登って下って双子池から40分、小さな池ですが双子池より湖畔が開けているので明るく感じます。

分岐からいよいよ北横岳に向かいます。山頂までのコースタイム1時間45分、距離1,3km、標高差450mを一気に登るので急登に感じますが、長くないのでペースを守って一歩一歩登っていたらいつの間にか山頂についていたという感じでした。高度が上がると大きく蓼科山が見えてきます。

北横岳山頂着は9時、山頂は比較的広く開けており、晴れていたので南八ヶ岳の山々や蓼科山が良く見渡せましたが風がありました。木々の枝も風下側になびいており普段から風が強いことを思わせます。北八ヶ岳ロープウェイの山頂駅から1時間ほどで登ってこられるのでそちらからの登山者やハイカーが多いようですが、まだ時間が早く山頂は静かでした。

双子池の朝

苔の森を双子池から亀甲池へ

亀甲池から北横岳への登りになります

北横岳山頂

北横岳から蓼科山を望む

北横岳から南八ヶ岳を望む

北横岳-双子池

 双子池に戻ってテントを撤収しなければならないので山頂の滞在時間は20分、早々に同じルートを下りて11時過ぎにテント場に戻りました。急ぎお湯を沸かしてラーメンを啜ってから撤収にかかり12時にテント場を出発しました。

亀甲池の道標まで戻って来ましたが、またここを通ることになります 

双子池-亀甲池-天祥寺平-大河原峠

 帰りのルートは悩みましたが、折角なので多少距離と時間は長くなっても往路とは違う亀甲池-天祥寺原回りのルートを選びました。再び苔の森の中を亀甲池に戻り、今度は亀甲池から天祥寺原に向かいました。少し林の中を歩いた後、両側を山で挟まれた笹原の中を正面に蓼科山を見ながら進みます。時には山が狭まり笹が道を覆い隠してしまう中、笹をかき分けながら歩くと20~30分で天祥寺原の端に出ました。左に進むと蓼科山や竜源橋登山口ですが、大河原峠を目指し右に進みます。引き続き林と笹の中を徐々に登っていきますが、双子山の下、もうすぐ大河原峠というところでは笹原が大きく開けて気持ちの良い風景が広がっていました。大河原峠着は14時過ぎ、双子池から吉祥寺原まで約1時間、天祥寺原から大河原峠まで約1時間の行程でした。

今度は亀甲池から天祥寺原の方へ 正面は蓼科山

途中深い笹原をかき分けて

今年だったら一人では熊が怖くて歩けないかも・・・

天祥寺原の道標を大河原峠へ

振り返ると北横岳が・・・

もうすぐ大河原峠 帰路はずっと笹原の中を歩きました

無事大河原峠に戻ってきました

帰宅

 また佐久を回って戻らなければならないので早々に峠を出発しました。本来は午前中早くに峠に戻り観光半分で帰る計画だったのですが、今回は仕方なく寄り道せずに走り、19時に無事帰宅しました。

 

 双子池は私が思い描いていた通りの山のテント場でした。是非また行きたいと思っています。今回は出足で躓いてしまいましたが次は新緑の季節か紅葉の季節、北横岳-大岳-双子池のルートを歩きたいと思っています。双子池では冬雪中テント泊ができるようですし、ハンモック泊もできるようになったとネットで見ました。雪山登山はまだハードルが髙過ぎますが、雪の双子池を眺めながらのテント泊は体験してみたいと思いました。もちろん寒さ対策を万全にして。

大河原峠から佐久方面に下りると通る美笹深宇宙探査用地上局

双子山からも見えていました

歩いたルート