海ときどき山、ところによりキャンプ

オヤジの緩いアウトドアライフ

久し振りにテンヤタチウオ

 10月の第1土曜日、久し振りにタチウオ釣りに行ってきました。

静岡県田子の浦漁港から出船し田子の浦沖で18時~23時、テンヤで通しましたが、「駿河湾全域で好釣果、アタリ多く良型も多数混じる」という前情報に反して全体に渋く型も細く、途中雨にも降られ・・・結果は指2.5本~4.5本で計18本でしたが、おまけで釣れた胴長25㎝のスルメイカが良いお土産になりました。

田子の浦沖にはタチウオ狙いの遊漁船が4~5隻出ていましたが、どの船も不調だった様です。

駿河湾ではまだまだ天秤の餌釣りが多いですが、ルアーやテンヤも随分増えてきました。私が乗った船は天秤餌、テンヤ相乗りで5人が乗船、私ともう1人がテンヤ、3人が天秤餌でした。

釣れてないときはスリムでも嬉しい!!

田子の浦沖の海底は尾根と谷が連なっているような粗い地形で、海岸から2~300m沖でも水深100m近いところもあり、港口のすぐ沖もタチウオのポイントだったりします。この夜も出船してテンヤ2個にイワシを巻き付け終るくらいに釣り開始となりました。棚30~50mでスタート、第一投で小気味良いアタリがあって指3本が上がったので期待しましたが後が続かず、少ない小さなアタリを拾ってやっと掛けたと思ってもタチウオの引きではなくスミヤキやスルメイカだったり。スルメイカはちょっとうれしいお土産で、アタリは何回かありましたがテンヤでは海面でのバラシも多く残念ながら2杯止まりでした。

更に18時半過ぎから雨が降り出し20時過ぎまでは本降りの雨の中でした。しかもこの雨、雨雲レーダーでは東の沼津にも西の清水にもかかっておらず田子の浦沖だけ、雨が止んでも頭上だけ真っ黒なままでした。風もありましたが波が無かったのは幸いでした。

時々小移動をしながら続けましたが状況は変わらず、魚探の反応も水深30~60mのままで浮き上がってくる気配もなく時間だけが過ぎ、ようやく状況が変わったのは21時30分を回ってから。少しずつアタリが増え始めタチウオが掛りだしました。とは言え上るのは指3本ばかりで終わってしまい船中15本~30本、超大型のバラシが1回あったようですが、最大が指4.5本止まり、それでも何もアタリがないよりはと船長は少しほっとした様子でした。ゲストはスルメイカやスミヤキ以外アジやサバも釣れていました。

 今年のこの辺りのタチウオは釣り方が難しいようで、以前は天秤餌は電動低速のタダ巻きで良く釣れましたしテンヤもタダ巻きで良かったのに、船長曰く今年はテンヤでも天秤餌でもタダ巻きでは釣れないし強い喰い込みも出ない、小刻みに誘うかフォールで誘うか、とにかく誘い続けて出た小さなアタリをモノにしないとダメということでした。ずぼらな私は少しでも楽なようにとタダ巻きから始めますが、この日タダ巻きで上げたのは最初の一投とアタリが増えだした終盤、餌付け中に低速で巻いていて掛かった2本のみ、巻きながらのシェイクもダメ、1ピッチジャークもダメで、1/6~1/4ピッチジャークの誘いの後のステイでアタッたものばかりでした。釣れる時は始末に困るくらい簡単に釣れるのに、パターンが見つからないと全く釣れない時もあって、タチウオ釣りは難しいですね。テンヤも40号と50号のグローとピンクゼブラで通し、終盤はグローもゼブラもと同じようにアタリましたが、前半はピンクゼブラは全く当たりませんでした。

 今回の小さな収穫は餌のイワシでした。できればスーパーで生のイワシを買って使いたいところですが置いてあったりなかったり、あってもサイズが合わなかったりしますから、普段は主に釣具屋で買ったテンヤ用の冷凍イワシを使っていますが、今回スーパーでイワシ丸干し(浅干し)を買って少し使ってみたところテンヤ用の冷凍イワシと遜色ない釣れ具合でした。目が取れていたり頭が崩れていたりしますが、頭は落として巻きつけるので構いません。大きさも手頃ですし身持ちも良く少し安くなります。全てをこれに変えるには勇気がいりますが、予備餌として使うには良さそうです。

 タチウオは塩焼きが一番好きですが、残念ながら塩焼きにしたい太さのものが無かったので、それでも一番太かったものを炙りの刺身にし、あとは天ぷら種用に3枚におろして冷凍しました。でも家族の一番人気はスルメイカの刺身でした。

タチウオは皮が硬く身が柔らかく皮を引くのが大変なので、皮に切れ目を入れるか炙りにするかですが、炙って氷水に浸すと水っぽくなるので、私はポリ袋に入れて口を縛った氷水を用意して置き、炙った身の上に乗せて冷やしています。3枚におろした身はそのままか大葉と一緒に巻いて爪楊枝で止めて天ぷらにすることが多いですね。

 

あとがき

今は西から東までタチウオ釣りが人気ですが、昔は東日本でタチウオを知っている人も好んで釣っている人も少なかったように思います。以西底引きでタチウオが揚がっていた西日本では、食卓にもあがり魚肉ソーセージの原料としても使われて馴染みのある魚だったようですが、タチウオを食べる文化は、関西から駿河湾を抱える静岡までポーンと大きく飛んで、そこで途切れていたような印象があります。

駿河湾を抱えていたからでしょうか、私の住む静岡県では子供の頃からタチウオが焼き魚、煮魚としてよく食卓にあがっていましたが、東京で生まれ育った妻は静岡に来るまでタチウオを食べたことがなかったそうです。

私がタチウオ釣りを始めたのは20数年前、防波堤釣りからです。職場の同僚にアオリイカが釣れているようだからと夜釣りに誘われ、仕事帰りに焼津港の突堤に出かけたのが始まり。紹介されていたポイントでは何人か電気ウキ仕掛けを投げてタチウオを釣っていて、その中に混じって釣っていたところアオリイカは全く釣れませんでしたが、偶然タチウオが1本釣れました。

周りの人に聞くと「みんなタチウオ狙いだからね、アオリイカなんて釣れね~よ」。もちろん釣れないことはないと思いますがアオリイカ狙いの人は稀なようでした。タチウオは一晩で10本以上釣れることもあるということだったので、見様見真似で仕掛けを作り、翌週の週末の夜1人で同じポイントに出かけてタチウオを狙ってみたところ、指3本程度でしたが19時から3時間で7本釣りました(うれしくて良く覚えています)。その年はタチウオの辺り年だったようでその翌々週も3時間で6本釣り上げた記憶があり、以降暫く岸壁からのタチウオ釣りにハマりました。

当時は近場だけでも焼津港、小川港、清水港の江尻、興津や袖師のコンテナふ頭などタチウオの夜釣りができるポイントがたくさんありました。特に港口に近く水深があるコンテナふ頭は船になど乗らずとも足元に垂らすだけで指5本が釣れたりしていましたが、釣人の水難事故やテロ対策法などでその多くが立入禁止になり、また狭まった釣り場が増えた釣り人で埋まるようになってタチウオ釣りから離れてしまいました。

その後タチウオ狙いで出船する遊漁船も増えていましたが、私がタチウオ釣りを再開したのは、鯛の船釣りを始めてから、今でも時々乗っている船が、時期や釣況によって早朝(というより深夜)出船して2~3時間タチウオを釣り、白んでから鯛狙いに切り替えたりしていたからです。良い型のタチウオが3~4本釣れればおいしい良いお土産になりますからね。当初は私も天秤餌でしたが、今はテンヤをメインに押さえで天秤餌、極まれにジギングをしています。