海ときどき山、ところによりキャンプ

オヤジの緩いアウトドアライフ

ワカサギ釣り 竿を自作してます

 ワカサギ釣りでは改良したリールと自作した竿の安上がりなセットを使っていますが、これでも結構釣れてます。

 

ール

 リールは全て手巻きです。ワカサギ用手巻きリールも釣具屋の中古品コーナーで見つけたものを持っていますが、基本は1個980円くらいの両軸タイプのミニリールを改良して使っています。改良と言っても大したことはありません、自分でラインストッパーを付けただけです。獲物が小さいのでドラグなど必要ありませんしフリーにした時に軽い錘でラインが抵抗なく出ていってくれればそれでOKです。底棚なら水深カウンターは不要ですし、中層棚でもラインマーカーで合わせてストッパーにかけておけば大丈夫です。スピニングリールにもストッパーが付いていますがワカサギ用の短い竿には使いづらいです。

加工は簡単で、ワカサギ用リールのスプールについているラインストッパー(スプールそのものについていることがミソです)のようなものを手巻きのリールにもつけてやるだけです。

上はD社のワカサギ用手巻きリール 下2個は改良した980円のリール

薄く張りのあるプラスチックや金属板を小さく長楕円形に切り穴を開け、リールのスプールの端に穴を開けてホームセンターで買ったマイクロネジで取り付ればOK、注意ポイントは以下の通りです。 

①ストッパーを大きくし過ぎないこと、引っかかるとスプールが回りません。

②マイクロネジが長過ぎないこと、スプールの中で先が当ってしまうと回りません。

③スプールの穴を小さめに開けること、緩いと糸止めが外れたり、動いて引っかかります。安いリールのスプールはプラスチック製なので穴が小さめでもネジをねじ込めます。

④できるだけ道糸を傷つけないようストッパーの外周をサンドペーパーで滑らかにしておくこと。

⑤なによりストッパーをスプールの回転の邪魔にならず道糸を巻きこまない位置につけること。

糸止めはそれなりにしっかりしていないと糸が止まらないので、プラスチックなら渓流釣りの目印などセルロイド、キッチンばさみで切れるようなブリキの薄板などを使っています。

こんな感じでラインストッパーをつけました

 

竿(穂先)

 専用好感度の穂先は先端が薄い板状に、元が円筒状になっていますが、同じような作りで自作してみたところ、結構鋭敏な穂先が出来ました。折れた竿や古い竿のリールシートやグリップ、ガイドを再生利用すれば立派な(?)ワカサギ竿です。ついでにガイドも自作してしまえば穂先だけなら1500円で20本以上作れちゃいます。

手作りのワカサギ竿たち

手作りの穂先の一つは古いグラスの渓流竿の先をサンドペーパーで更に細く削ったものです。もう一つはホームセンターで買った塩ビ板(加工性や接着性で塩ビが良いです)や文具の下敷き(これも塩ビが良いです)を細く切って長さを変えて専用接着剤で貼り重ねたもの。これらに古い竿から外したガイドや細いSUS線(バネ線)を曲げた自作ガイドを取り付ければ十分鋭敏な穂先になります。

ガイドは瞬間接着剤で直接接着し、裁縫用の糸で巻いた上を接着剤で薄く塗り固めればOKです。また使うリールシートやグリップの穴に合わせて穂先の根元にテープを巻いたり極細ホースやボールペンの軸などに差し込んでやればOK、私は最終的に熱収縮チューブを被せて太さ調整と補強をし、穂先を交換できるようにしています。

これまでに10cmくらいのワカサギが6~7匹一荷になったり、ヒメマスが喰ったこともありますが、実釣で穂先が折れたことはありません。ただ塩ビは熱に弱いので暑い日は要注意、実際に釣っている時は良いですが、その辺に放り出して真夏の直射日光にさらしておくと、熱で柔らかくなって曲がったり歪んだりしますから、予備の穂先は直射日光に当てずに日陰に置くように。

自作穂先のパーツ

塩ビ穂先の作り方

 いろいろ試しましたが素材は塩ビ(硬質塩化ビニール板)が良いです。いろいろなカラー、厚さの塩ビ板をホームセンターで手軽に買え、加工性が良く切るのも貼るのも簡単です。ホームセンターの同じ売り場で売っている専用接着剤は塩ビを溶かして接着するタイプなので、曲げ伸ばしを繰り返しても重ね合わせた塩ビが剥がれたこともありません。

人によって好みは違うと思いますが、私は1号から3号くらいの錘で釣ることを前提に0.5㎜厚と、棚が深くて5号くらいの錘を使うときのために1㎜厚の2種類の塩ビ板を使います。メインは0.5㎜厚です。

徐々に厚みが増すよう0.5㎜厚の塩ビ板を細く切って長さを変え3枚重ねて貼り合わせ(先端は0.5㎜のままです)、更に根元をしっかりさせるために0.5㎜厚か1㎜厚を1枚貼ることもあります。また早朝や曇天でもはっきり見えるように黄色の板を使っています。

 

①塩ビ板をカッターで細く切ります(私は以下のようなサイズに切っています)。

 ❶0.5㎜厚の穂先の場合

  0.5㎜厚、長さ約25cm、先になる方の幅3mm、元になる方の幅4~5mmを3本

 ❷1㎜厚の穂先の場合

  1.0㎜厚、長さ12cm以上、幅は❶に合わせたものを1本と❶を2本

②重ねた時に徐々に薄くなっていくよう❶の1本はそのままで、1本を17~18cm、もう1本を14~15cmに切ります(太い方を合わせて貼り合わせるので細い方を切ります)。

③貼り重ねた時に滑らかになるよう切った❶❷の先端にヤスリをかけて斜めに削ります。

④重ねた時に短くなる方に接着剤を垂らし、元になる方を合わせて短い順に貼り重ねていきます。

⑤角を削ったり、ヤスリをかけて全体を少し滑らかにします。多少の凹凸はご愛敬です。

切った塩ビ板を徐々に厚くなるように貼り合わせます

⑥ガイドの自作

 0.4㎜~0.,6㎜径のSUSのバネ線を精密ドライバーの軸などに当てて2回巻いて切り取り、足を作ってペンチで挟んで曲げ、ニッパーで長さを揃えます。

 ※真冬に湖でワカサギを釣るとき、ガイドが小さいと氷結して詰まることがあるので、巻き上がり3~5㎜径くらいが良いと思います。

※普通のSUSの針金で作ればもっと安く簡単にできます。私は強度をつけガイドの形を保つためバネ線を使います。

⑦穂先に指を当てて曲がりを見ながら瞬間接着剤でガイドを貼り付けていきます(私は❶❷の穂先なら5~6個です)。

 ガイドをつけたい位置にゼリー状の瞬間接着剤を少し垂らし、ピンセットで挟んだガイドを置き、長さを揃える時に切り落とした塩ビ版の端を使って足を押さえて整え貼り付けます。

 ※ゼリー状の瞬間接着剤が良いのは少量でも盛り上がるように乗ってタレ落ちないこと、ガイドを乗せた時に

  接着剤の粘度でガイドが倒れず、位置を整えてやればガイドの足を押さえ続けなくて良いことです。

ガイドを接着します

⑧接着剤が乾いたら、ガイドの足に糸を巻きます。私は目立つよう赤いミシン糸を使っています。

 ガイドの足を隠すように巻き重ねていき、残り2~3㎜まで巻いたら2つ折りにした糸を挟んで巻き進め、巻いた糸の端を挟んだ糸の先端の輪に通して引けば、糸の端が巻いた糸の下をくぐって止まります。

⑨糸の端をカットして瞬間接着剤を少量塗ってのばし、糸を止めます。

⑩穂先の元にテープを巻いたり、細い筒状のものにはめ込んで接着したりしてグリップ部の差込みに合う太さに整えて出来上がりです。テープを巻いただけでは付け外しでめくれてしまったりするので、私は最後に熱収縮チューブを被せて丁度良くなるよう太さの調整をしています。

糸の巻き方1

糸の巻き方2

⑪穂先完成、こんな感じです。

 簡単なので何本作っても、何度作り直してもさほど苦になりません。私も太さや調子を合わせるために何回も作り直しました。調子は塩ビ板の厚さやパーツの長さ(重なりの長短)で変えられます。また私は先と元の幅にもテーパーをつけていますが、全く同じ幅でもOKだと思いますし、好みに合わせて全体を長くしても短くしても良いと思います。

竿の調子(2.5号の錘) 手前D社穂先 奥自作の穂先 良い感じでしょ!