久し振りに「焚火して飯食って寝る」だけのソロキャンプに行って来ました。
テント泊登山に行きたかったのですが、町内会の一斉側溝清掃があったので清掃を済ませてから行ける近場の富士山麓の自然公園の中にある公設の林間キャンプ場へ。
側溝清掃日は日曜でしたが前日土曜の朝に自宅の前だけ一人で済ませて曇天の中を出かけました。自宅から約1時間半で14時過ぎにキャンプ場着、受付を済ませ薪を1束買って(1人1泊1000円、薪1束500円は針葉樹の間伐材です)予約していたサイトで設営。
ここは道路を挟んで東西に分かれたエリアの自然林の中に35のサイトがバラバラに点在しています。
この日のサイトは東エリアの一番奥、車の乗り入れができないので駐車場から人力で荷物を運ばなければならず(荷運び用の一輪車が2~3台置いてあります)、奥に行くほど道も悪くなって大変になりますがより静かにもなります。キャンプ場はサイトを指定してweb予約ができますが、土日は数か月前から予約とキャンセル待ちで一杯、私は側溝清掃日が判った3週間前に予約しましたが、たった一つ空いていたのがここでした。
広さは6×4mくらいでここでは標準的、パップテントを一つ張るだけのソロキャンパーには十分で、通路には面していますが3方を雑木の藪で囲まれていて、通路を背にして少し斜めに張れば、人目を遮りつつ出入りしやすく、焚火のスペースも十分に取れて寝る時も通路から少し離れていられます(私のパップテントは前幕を上げた時に横を塞ぐ風避け・西日避け・視線避けの遮蔽シートを付けられるので更に便利です)。
季節的に設営後に自然公園内を散策するのも気持ち良いですが、曇りだし何もしないキャンプだし、ということでそのままテントに落ち着きました。晩秋、曇天の林間なので16時には薄暗くなり焚火開始、17時にはすっかり暗くなりました。
薪1束は火を絶やさずに燃やし継いで4時間ほどの量ですが、不足分を補うためホームセンターで買った1袋100円のSPF材の端材を2袋持ってきました(小袋ですがサイズを揃えてキッチリ詰めれば100円で1.2~1.5kgあります)。
夕食はスープパスタと厚めに切ったハムとベーコン。先日無印良品で、乾燥パスタと水を加えて火にかければ出来上がるという「煮込んでつくるスープパスタの素 香味野菜とポルイペッティ」を売っていたので、キャンプはもちろん山でも使えそうと思ってお試しで買ってみました(他にサーモンとマスカルポーネクリームと魚介のトマトガーリックの2品あり)。乾燥パスタをそのまま煮込めばOKなので茹で汁が出ず、早茹でパスタはその時間だけ煮込めばOKという便利物。
パスタはコンキリエがお勧めと書かれていましたが今回は4分茹でのマカロニを使用、目分量で作ったため乾燥パスタ70gのところ120g、水350mlのところ400mlも入れてしまいましたがまずまずの味に。分量を合わせればもっと美味しくなるはず、と山メニューに登録決定。ボートの上でも良さそうです。ハムとベーコンはブラックペパーだけ振って焼き、そのまま噛り付きました。
食後のコーヒーはフレンチローストのマンデリン。消灯時刻の21時まで、焚火をしつつJAZZを聞きつつ過ごしました。すっかり暗くなれば自分の焚火とランタン以外に見える灯りも人工的な音もなく、時折他のキャンパーの気配を感じるだけ。何もしたくないオジサンソロキャンパーにとって本当に良いキャンプ場です。
シュラフに入ってしばらくして雨が降り出しましたが1時にトイレに起きた時には止んでいました。
朝6時にシュラフから脱出、標高500mのキャンプ場ですが気温は14℃で思っていたほど下がりませんでした。撤収のことを考えて、先ずはテントに残った昨夜の雨のしずくをはたき落とすことから。快晴で頭上の木の梢には陽が当り始めていましたが、まだ地面には届いておらず、残しておいた薪を燃やしながらメスティンで飯を炊きレトルトのユッケジャンをぶっかけて朝食。
パックライスは便利ですが、山用のメスティンやシェラカップは小さすぎて浸りません。ボイルしても早いもので10分以上かかり、加熱が足りないとボソボソです。飯を炊くのは大変と思いがちですが、前夜からメスティンやクッカーの中で無洗米を分量の水に浸しておいてそのまま火にかければ、意外に早く20~30分で炊き上がりしかも美味しい! 固形のアルコール燃料とミニストーブが簡単でお勧めです。
ゆっくりの朝食とコーヒーの後8時半に撤収準備開始。火に強い綿混のTC製パップテントの欠点は厚くかさばりとにかく重いことですが、雨の時は水切れも悪く更に重くなって始末が大変なこと。どうせ帰宅して干し直さなければならないので、ざっと水を落として丸めシートでくるんでバックの中へ詰め込んで、10時にキャンプ場を出発し11時半帰宅。
土砂や枯葉枯草も一緒に持ち帰ることになりましたが仕方ありません。快晴でテントを広げて干せば夕方までには乾きそうなのが救いです。干した後ベランダに落ちたお土産を掃き掃除しないと女房に叱られること必至です。
キャンプ場について
富士山麓の自然公園の一角にあるキャンプ場ですが富士山は見えません(少し脚をのばせば富士山のビューポイントは沢山あり、静岡県の紹介で良く出てくる人工物が全く映らない富士山と茶畑の撮影ポイントも直ぐ近くです)。市営の施設(管理は委託)ですから利用料は安く(1人1泊1000円)市民以外の利用OK、焚火もOKですが(もちろん直火はダメ)、場内の施設もサイトもキレイに管理されています。但し施設は管理棟と炊事場、トイレしかありません(売店もありませんが薪と自販機のソフトドリンクは管理棟で買えます)。
自然公園自体は植林の杉林やゴルフ場などに囲まれていますが、広い園内は雑木の自然林で、キャンプ場はおまけのようなもの。通して歩けば4~5㎞にもなる散策コースや芝生広場、少年自然の家などもあって、四季を問わず休日は沢山の人が訪れますが、キャンプ場は公園の入り口すぐにあるので場内はキャンパーだけです。各サイトは雑木林の中の枝分かれした連絡路沿いに分散して配置されているので、上手に設営すれば他のテントやキャンパーを視界に入れることなく静かに過ごせます。
また1サイト1組5人までで(・・・だったように記憶しています)面積も最大で7×5m、狭いと4×4mくらいしかなく(6×4mくらいが標準です)、多人数用の前室付き大型テントに大型タープなどまず無理。サイトへの車横付けも場内への車乗り入れも横できません。よって駐車場からそれぞれのサイトまで荷物は人力輸送。最も近い区画で約50m、最も奥の区画なら200mくらいあり、奥に行くほど傾斜や段差も大きくなって岩や木の根が突き出た山道のような悪路にもなる道を一輪車orMyキャリーカートorハンドキャリーで運ばなくてはなりません。
車の乗り入れができず大荷物を持ち込めない、サイトが小さく大人数で入れない、独立サイトなので集まって設営できない、大型テントやタープ、複数のテントを設営できない、電源サイトがない、売店がない、キャンプ場内に子供が駆け回れるような広場がない(自然公園内にはあります)・・・だから大騒ぎしがちなグループは入ってきません・・・従って自然の中、好きなスタイルで静かに過ごしたいオジサンソロキャンパーやペア、少人数の子供連れファミリーには最適、ということになります。
独立サイトなので最低限のルールとマナーを守ればどんな道具を使おうが、何を食おうが、どのように過ごそうが人目も気にならないし邪魔もされません。ツェルトかタープと寝袋、小さな焚火ストーブだけでワイルド感を味わうこともできます。
ただ難点が一つ。ここはサイトを指定してNet予約できますが予約数制限もなく解約条件も緩いので、ずっと先まで手当たり次第予約しておいて直前にキャンセルする利用者が結構な数いる様子であること。サイト数が全部で35と少ないこともありますが、人気高いサイトは特に顕著で土日祝日は数か月先まで予約とキャンセル待ちで埋まってしまっていて予約が取りにくい。
今回は側溝清掃の予定が判ったのが3週間前でその2日後にNet予約をしましたが、たまたまタイミングよくキャンセルが出たのでしょう、今回利用したサイトがたった1つだけ空いていて予約を入れることができました。
利用した土曜は朝から曇天でしたが前日の時点で雨の予報はなく翌日曜は晴れの予報、天候によるキャンセルは少ないと思うのですが、現地では人気のあるサイトも含め東エリアだけで3~4サイトは空でした。直前まで粘ればキャンセルが出た人気サイトを取れる可能性もありますが、ぜひキャンプ愛好家としての節度を持って、予定のない空予約は止めてほしいところです。
人力荷物運び
整地された道なら一輪車や毎キャリーカートで容易に荷物を運ぶことができます。
しかしこのキャンプ場の凸凹道や河原のような道では、2輪でも4輪でも10~12㎝径の硬質ゴムや樹脂製では歯が立たず(実体験あり)、15㎝径のタイヤでも結構しんどいです(実体験あり)。一輪車も荷物満載ではバランスを崩し倒してしまうことも(これも実体験あり)。そこで私はこのキャンプ場用に農作業用などに使われる9インチ(20cm)径のゴムタイヤをつけた2輪カートを自作し、随分楽になりました。20㎝あると大抵の岩や木の根は底を擦らずに越えられますし安定性もあります。バーベキューグリルやストーブなどの大物がなくソロやペア程度の荷物なら一気に運べ、サイトではランタンや調理器具を吊るしたり、水台や薪台にして使います。
ここで使えれば他のキャンプ場はどこでもOK、砂利や小石なら多分河原もOKでしょう。
テントについて
今持っているのは山用のシングルテントとパップテントのみで、4人用の前室付きファミリーテントは随分前に捨てました(ファミリーで行かなくなったのと生地が加水分解してべたつきだしたから)。ソロならタープがいらないことから火に強い綿混のTC製パップテントを愛用しています。重い・厚くかさ張る・濡れると乾きにくく一段と重くなる・焚火の匂いがついてとれないなどの欠点もありますが、火の粉がテントに飛んでも慌てずに居られます。流石に跳ね上げた前幕の下で盛大に焚火をしたことはありませんが、自分は前幕の下に座ったまま手を伸ばして薪をくべられるくらいの距離には焚火台を置いています。前幕の下で、小さな2次燃焼ストーブで炭や小枝を不安を感じることなく燃やしたことはあります(これは個人の感想ですからあくまで自己責任で)。
床布がなく直接地面なのにも慣れました。インナーテントは使ったことがなく、地面の冷え込みから逃げるため、またどうしても裾に隙間ができるので虫の訪問や隙間風の侵入に備えてローコットを使っています(ローコットも随分安くなりましたね)。地面の凹凸が気にならない、地面の冷えが伝わりにくい、ベンチ代わりになる、荷物台になる、晴れた日は外に出してシュラフを干して畳める、等々とても便利です。インナーテントの中に入れることもできるし、併用すれば2人で寝ることもできます。
今のところ自分にはこのスタイルが合っているような気がします。でも、ようやく1歳の孫がもう少し大きくなって「一緒にキャンプに行く」などと言われようものなら、きっと大喜びでスタイルも道具もガラッと変えてしまうのでしょうね(実は楽しみ・・・)。